「理解のある彼くん」という言葉をご存じですか?
最近時間がありネットサーフィンをする機会が多いので、少し前に流行ったネットスラングを今になって知ることが増えました。
「理解のある彼くん」の彼くんとは彼氏のことを指します。
▼理解のある彼くん
何らかの「生きづらさ」を抱えている女性とカップルになった、生きづらさやそれに付随するさまざまな事情に理解のある男性の恋人、もしくは配偶者の事を指すネットスラングである。
(ピクシブ百科事典より)
心が健康で自立している人から見ると説明を読んでも「はい(・・;)?」だと思うのですが、私はちょっと気になったので今回は「理解のある彼くん」を掘り下げていきます。
ネットに掲載されている漫画が発祥
理解のある彼くんは、ネットに掲載されている生きづらさを抱えている女性が主人公の漫画が発祥みたいです。
パターンとしては
①発達障害や精神疾患を患い生きづらさを抱えている主人公。
仕事もうまくいかないし生活力もないしで、未来に希望を見出せずにいる。
②しかしそんな主人公の前にある時突然理解ある男性が現れ彼氏になる。
(どんな経緯でその男性と出会ったのか、付き合うまでにどんな過程があったかの詳細は不明。)
③何をやってもうまくいかないこんな私にも彼氏ができて、今は彼氏のおかげで毎日がハッピー!
④読者が心の中で「ムキーー!!」
といった感じです。
なぜ読者が「ムキーー!!」となるのかは次の章で解説します。
同じ生きづらさを感じる女性読者の心理
読者の多くは主人公と同じく何らかの生きづらさを抱えながら生きている女性が多いのではないでしょうか。
大変な思いをしながらも男性に頼ることなく一生懸命生きている。
そんな中、自分と同じような人がいるんだと漫画を読んで勇気づけられようとした矢先、突如ページ内に理解のある彼くんが現れて全面的にサポートしてもらっているという急展開が腹立だしいのだと思います。
実際問題、彼氏・夫がいるから人生100点満点全部完璧!というわけではないのですが、やはり生きづらさを抱えている女性から見ると羨ましさ要素もあり「ムキーー!!」とならずにはいられないのでしょう。
出会いについて詳細が描かれていない
ここも読者のイラ立ちポイントだと思います。
そんなに生きづらい、人とコミュニケーションを取るのも一苦労な人が、男性と出会いデートを重ねてお付き合いをするに至るのはとても難しいはず。
なのに漫画では何事もなかったかのように、まるで知らぬ間にどこからか生えてきたかのように理解のある彼くんが登場します。
職場の出会いなのか、マッチングアプリを駆使したのか、以前からの知り合いなのかわかりませんが、そこは私もちょっと気になります。
理解のある彼くんの正体
「理解のある彼くん」と聞くと、発達障害や精神疾患を患っている女性×経済的に安定していて包容力もある高スペック男性の組み合わせをイメージしがちですが、それはちょっと違う気がします。
漫画では主人公の女性目線で彼氏のことを描いているので、こんな私と一緒にいてくれる彼は理解者だという位置づけですが、第3者目線で見ると普通に彼氏のいる人が自分の彼氏のことを「理解のある彼くん」と呼んでいるだけです。
つまり、世間の彼氏・彼女はみんな誰かの「理解のある彼氏」で「理解のある彼女」なのです。
人間関係は合わせ鏡で、変な人とまともな人の組み合わせが結婚することはありません。
変な人には変な人、まともな人にはまともな人がくっつくようにできています。
なので、落ち着いて考えれば漫画を読んだ読者が「ムキーー!!」となる必要はないのですが、隣の芝生が青く見えるのが人間なのでしょうか。
恋愛・結婚だけが全てではない
結論、「理解のある彼くん」なんてものは存在しません。
そして人生は恋愛・結婚だけがす全てではありません。
今は幸せそうにしているあのカップルもあの夫婦も、いずれは別れを選ぶかもしれません。
今の幸せは片方の我慢の上に成り立っているかもしれません。
現代は独り身だからと言って冷ややかな目で見られる時代でもないし、彼氏がいる人のことを羨ましがる必要はないと思います。
生きづらい人もそうでない人も満たされない思いを他人に投影するのはやめよう。
そして、よいご縁があった場合は相手任せではなく自分主体で恋愛してみよう。
と、自分に向かって言ってみる。
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